2009年10月3日、東京都新宿区にある慶応大学の北里講堂にて、第5回日本移植・再生医療看護学会が開催されました。
今回のテーマは「生命ときずな、臨床からのソフト・サイエンス」。
衆参両議院で臓器移植法改正が可決されたことなどを受け、今後の看護師の役割などが議論されたとのことです。
学会長である添田氏の基調講演では、「移植医療と看護の役割Up-to-date」として、臓器移植をめぐるこれまでの経緯を解説しました。
まず、2008年5月の国際移植学会による「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」を紹介。これは、臓器移植法改正のきっかけともなったものです。
これにより、これまで海外渡航移植に頼っていた日本国内での臓器移植の推進を望む声が高まることとなったのだそうです。
次に、生体肝移植の適応として1996年に提示された“ミラノ基準”に言及。臓器移植の変化に伴って看護の役割自体も変化の傾向にあり、アメリカでは看護師の専門化が進んでいることを紹介。
今後必要になってくる看護の介入分野として、"メタボリックシンドローム"、"プロリハビリテーション"、"性"という3つの問題を挙げました。
この会長講演に続いて、岩波書店から出版された『ミラクルツインズ!――難病を乗り越えた双子の絆』の著者、イサベル・ユリコ・ステンツェル・バインズ氏とアナベル・マリコ・ステンツェル氏が登壇。臓器移植における試練や喜びについてのスピーチを行いました。
尚、日本移植・再生医療看護学会長である添田氏は現在、看護研究を支援するナーススペシャリストとして慶応大学病院に勤務するとともに、肝臓・腎臓移植の生体ドナーに対し、適切な情報が提供されているかどうかなどのポイントを確認する「独立ドナー擁護者」としても活動しているとのこと。
また、米国の生体肝移植施設では、この「独立ドナー擁護者」の設置が義務付けられているそうです。
